オイルマネーを元手にサステナブルな未来都市プロジェクトが始動
SDG’sやカーボンニュートラルへの取り組みが全世界的に進む昨今、カーボンゼロを目指す大きな取り組みが世界的に広がる中、その先端を走るのはCO2排出の筆頭とも言えそうな石油大国。その大型プロジェクトが新たにまた始動しました。
先駆けとして有名なのはマスダールシティがあります。
産油国のアラブ首長国連邦(UAE)が、世界最大のクリーンエネルギー投資国家として、石油・天然ガス分野と同じくらいの影響力を再生可能エネルギー分野でも発揮することを目指しています。
その象徴的なプロジェクトがアブダビの「マスダールシティ」である。
政府系エネルギー企業・マスダールによる、最先端テクノロジーや再生可能エネルギーを取り入れた、カーボンゼロの未来型都市開発だ。2006年に着工され、現在も建設中。6.5㎢の敷地には、900以上のテナントが入居できる商業施設や住居用ビルなどが立ち並ぶ。
マスダールシティでは、消費電力のすべてを再生可能エネルギーで賄う。シティから約120kmの砂漠地帯にある太陽光発電所Shams-1が、町全体の電力を供給。シティ内にあるマスダール科学技術研究所でも、屋根に太陽光パネルや太陽熱温水器を設置し、電力と温水を創出しているという。
ガソリン車の使用は不可。シティ内は電気自動車、もしくはコンパクトな無人電動モノレール「PRT」に乗って移動する。PRTは時速40kmで走行し、目的地まで自動運転で連れて行ってくれる。
建物の設計も工夫されている。風が通りやすいようなデザインや、熱をこもらせずに光を取り入れる仕組みが採用されており、自然の力を生かしたサステナブル建築を実現している。
失敗説や金融危機等の影響で規模縮小もありましたが、2025年が竣工予定なので、ペンディングするかもしれないが結果が楽しみです。
次に紹介するのがサウジアラビアの「THE LINE」です。
全長170km高さ500mの直線高層都市という「マジかよ!」と思ってしまうようなすさまじい計画です。
概要は動画があるのでご覧ください。
NEOM取締役会会長であるサウジアラビア王国のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子殿下(HRH Mohammed bin Salman)が2022年7月25日にNEOMが構想する未来都市〈THE LINE〉のデザインを発表しました。
「人間を第一に考え、周囲の自然を保護しながらこれまでにない都市生活を提供する都市構想である。」と発信していますが、
動画を見るとどうでしょう?人間第一かはよくわかりませんし、自然保護という視点も正直分からないですね
今回の発表では、幅200m・全長170km・高さ500mという、〈THE LINE〉の最大の特徴が明らかとり、〈THE LINE〉は最終的に900万人の受け入れを予定していながら、面積は34km²という、他の同規模の都市と比べても突出した密度を誇る。これにより、インフラの設置面積が削減され、都市機能においてこれまでにない効率性が実現される。
年間を通じて理想的な気候であるため、徒歩での移動の際にも周囲の自然を楽しむことができる。また、居住者は、主要な施設に徒歩5分以内でアクセスできるほか、端から端まで20分で移動できる高速鉄道も利用可能である。
面白いので何個かパースをUPします。
SF的ともいえますし、滅亡した古代文明の遺産にも見えますね
THE LINEは最大の課題はこの実現にはまだこの世に存在しない技術が必要だという事ではないかと思われます。
それがゆえに完成が2030年というのは無理がある様に感じますが彼らはやる気です。
ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子殿下は「NEOMは、世界中のすべての人々が、創造的かつ革新的な方法で世界に名を残すための場所となることだろう。NEOMは『サウジ・ビジョン2030』の最も重要なプロジェクトの1つであり、国家を代表して〈THE LINE〉を提供するという我々のコミットメントは揺るぎないものである。」と語りました。
その言葉の通りさっそく2022年の10月に工事が始まりました。
その動画も丁寧にYOU TUBEにUPされています。
どうやら本気なようです。
重要な事は石油大国がクリーンエネルギー投資国家となり続々こういったプロジェクトを先導している。
あまりに大規模なため実現するのか非常に不明確な部分もありますが、そこに膨大なマネーと人が動いている事は確かです。
この行く末や描かれる未来には注目をしていきたいですね
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