2007-04-11

外貨準備高が増えているけど、単純に喜んでいいの?

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日本の外貨準備高推移
日本に限らずアジアの外貨準備高が急増しています。そもそも外貨準備高って何?
日本や中国はどうしてこんなに増えるの?
増えるのはなんとなく国力が強くなったようで晴れがましく感じるけど、単純に喜んで良いのかな?
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国名 金額
中国 8,536億ドル
日本 8,500億ドル
3 台湾 2,534億ドル
4 ユーロ圏 2,121億ドル
5 韓国 2,089億ドル
6 ロシア 1,659億ドル
7 インド 1,389億ドル
8 香港 1,227億ドル
9 シンガポール 1,150億ドル
10 マレーシア 730億ドル
中国と日本は、2006年2月末。それ以外は2005年11月末
IMF調べ。中国は、2006年2月末に日本を抜き首位に立った。 
外貨準備高とは「通貨当局が為替介入に使用する資金。通貨危機によって他国に対し、外貨建て債務の返済などが困難になった場合に使用する準備資産。
財務省では、以上のように定義付けしていますが、簡単にいえば、国が保有している外貨や金の合計額で、輸入代金や借入金返済などの対外支払いのための資産ということです。」
内訳は1)外貨資産(預金、証券等)、2)IMFリザーブポジション、3)SDR、4)金の4項目です。
日本は’04年に1年間で20兆円 もの為替介入をしていますが、では何故為替介入が必要なのか、またその原資はどこから調達するのでしょうか?
①急増した原因は殆どが為替介入によるものですが、介入する目的は’04年のように殆どが急激な円高を阻止するためです。
日本は輸出立国です。輸出入代金は基軸通貨であるドルで決済します。
この間日本の経常収支(輸出金額が輸入金額を引いた貿易黒字や、海外からの配当、利子などの受け取りから海外への配当、利子などの支払いを差し引いた所得収支などの合計額)は大幅な黒字です。
稼いだお金を国内に還流するにはドルを売って円を買います→円の需要が高まり円高基調になる→輸出企業には痛手となり、景気の足を引っ張る→それでは政府も困るので円を売ってドル買い介入を行う。
それが積もり積もって8,500億ドル(約90兆円)までになったというわけです。
②それでは介入の原資はどこから調達するの?
政府は介入に必要な資金を「外為証券」という短期証券(FB)を発行し、その資金でドルを買います。民間から借りていて、国費を使っていません。日本の国としては、税金を使わずに景気を下支えする手法として重要な景気対策の一つとなっています。
つまり、政府は為替の乱降下による経済活動の混乱を為替相場への介入で防止するというわけです。
それだけ取り上げれば、日本の経済利益上は必要な措置と思われます。
しかしそこに落とし穴は無いのでしょうか。
特に外貨準備高に占める米国債の多さ(70%強)が気になります。
その他台湾、韓国、をはじめアジアの国は経済成長と歩調を合わせ、軒並み外貨準備高を増やしていますが、殆どが日本や中国と同様、その大半が米国債となっている。(前出資料)
これはどう見てもリスクが高いことは素人でもわかります。米国債が暴落すれば、一瞬にして何十兆という損失を被るわけです。
一筋縄では行かない米国相手ですが、日本もそろそろリスク分散をしないとやばいのでは。

List    投稿者 ryujin | 2007-04-11 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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