2014-05-01

「BRICSは金貸しに操られているのか?」 ~3:インド 金貸しによる暗躍は今始まったばかり?

「BRICsシリーズ」の第3回。今回は、インドを扱います。

インド

インドと言えば、長い間イギリスの植民地でした。第二次世界大戦後、独立しましたが、メディアにはあまり、情報が流れてきていません。

前回でも述べたように「BRICs」とは、ゴールドマン・サックスが投資対象として命名した新興諸国です。インドは、これまで、金貸し達によって裏で操られてきたのでしょうか?

さて、今回は、最近のインドに焦点をあて、背後の、金貸し達の暗躍状況について追求していきたいと思います。

その前に応援よろしくお願いします。

にほんブログ村 経済ブログへ

■巨額な軍事費

●中国・インド・パキスタンの対立構造をつくりだしているのは誰か?【 リンク

インドにとって、中国は「仮想敵国」。パキスタンとインドも、核実験等で牽制し対立してきました。これらの3国の関係は、歴史的対立原因が根本にはあるにせよ、金貸し達がそれをうまく利用して、各国の軍事費の拡大を煽っているのではないでしょうか?

ここでの着目点は、インドは武器をどこの国から買っているかです。米国や欧州から買っているとすれば、軍産複合体の背後にいる金貸し達を儲けさせるためなのですが、武器供与の実態はどうなのでしょうか?

●インド:中国抜き武器輸入で世界首位に、国防軍近代化目指す-調査【リンク

2011年3月14日(ブルームバーグ):インドが中国を抜き世界最大の武器輸入国になったことが、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI) の調査で明らかになった。インドは国防軍の近代化を目指しアジア地域 で国力を示そうとしている。

SIPRIが14日発表したリポートによると、インドは2006-10年に 国際取引された武器の9%を輸入した。82%をロシアからの輸入が占めた。輸入量は中国や韓国、パキスタンを上回った。

~中略~

「インドは近い将来も大量の輸入を計画している」と指摘。 「特に、近隣諸国との間で対立があり、安定していない地域に大量の武器が持ち込まれる事実を考えると懸念される」と述べた。

インドでは国内の安全保障上の脅威や、国境を接する核保有国、パキスタンや中国との対立により国防費が増加している。インドは向こう10年間に軍隊の近代化に向け国防費の増額を計画しており、中国への武器輸出を禁止されている欧米企業を引き付けている。

●アジア太平洋が世界最大の武器市場に、中国の武器輸出も増加【リンク

2014年3月27日スウェーデンのシンクタンクは、過去5年間の世界武器輸出大国ランキング(計55カ国)を発表した。

~中略~

アジア太平洋は世界最大の武器市場と なっている。過去5年間の対アジア太平洋武器輸出額は34%増となり、世界総額の47%を占めた。1−3位の武器輸入国であるインド、中国、パキスタン は、いずれもアジアの国だ。

インドの武器輸入額は111%増え、世界総額の14%を占め、中国もしくはパキスタンのほぼ3倍となった。その主な供給国は、 ロシア(75%)、米国(7%)、イスラエル(6%)となった。

●ロシアとインドの戦略的パートナーシップ【リンク

ロシアは2015年1月1日に新しい「帝政ロシア連邦」設立を発表しますが、この中に驚くべき国が入るとも言われており、西側は驚愕することになります。【リンク
ロシアのクリミア併合を支持したのは、中国とインドだ。インドは、ロシアとの戦略的パートナー関係にあり、様々な兵器をロシアから購入していている。ロシアの声「ロシア・インド戦略的パートナー関係」
インドもBRICSのひとつだが、ロシアとの密接な現在的な関係から推察するに、金貸しはインドも上手くコントロール出来てない可能性が高い。【リンク
インドの武器の輸入に関しては、ロシアとの結びつきが強いようです。前回の記事では、現在、ロシアは反金貸しであり、武器購入という多額のお金が動く中で、インドの背後に金貸し達との関係は薄いと推測されます。

次にインド国内の企業の実態はどうなっているのでしょうか?

 

■国内企業に外資は参入しているのか?

さて、次に代表的な国内企業は外資が参入しているのか?事例を調査してみました。

①タタ自動車【リンク

※外資参入とは、反対に英国の「ジャガー」と「ランドローバー」買収しています。

②インフォシス・テクノロジーズ【リンク

※創業者のムルティは今「21世紀のガンジー」とも呼ばれています。

③ICICI銀行【リンク

※貧困層に対して融資をするリテールバンク業務を推進しています。

これら企業は、国民派企業である可能性が高いようです。金貸し達が入り込む余地が少ないと予想されます。

では、金貸し達は、インド企業に参入していないのでしょうか?金貸し達のしたたかな戦略がありました。インフラ事業です。

 

■モンサントの参入【リンク   2013年の記事です。

確かにインド政府の場合を見ても、モンサントが本格的に水ビジネスへの参入を始める以前、1992年から1997年の6年間だけでも12億ドルもの資金投入を行ってきた。
また世界銀行も、インドの水資源確保に向けて9億ドルの資金提供を行ってきた。

モンサントの戦略は、まずは地元の政府や住民を味方につけることから始まった。
具体的には、インドの地元企業とジョイント・ベンチャーを組み、安全な水を供給するビジネスに参入した。
インドを代表するイウレカ・フォーブスやタタなどの有力企業と提携する形でモンサントはインド市場への参入のとっかかりを手にすることができた。

また、インドのウォーター・ヘルス・インターナショナルの株式を取得することでインド国内のウォーター・ビジネスへの影響力を強化しようと試みた。

モンサントが提携したインド企業は、いずれも同国内の水道事業や水関連のビジネスに一定の実績をあげてきた。しかし資本力、技術力が効果を発揮した結果、同社はインド国内のウォーター・ビジネスを独占的にコントロールできるようになった。

その成功の足がかりに、モンサントはインドから他のアジア諸国にも触手を伸ばし始めた。
すでに同社は種子ビジネスを通じてアジアの農業には深く食い込んでいたが、新たに確保したインドの産業基盤を通じて、周辺国における漁業や養殖業にも参入するようになった。

従来の農業分野に加え、モンサントはこれら新しい分野で2008年末を目標に16億ドルの収益を上げようとする計画している。

またモンサントはその政治的影響力をフルに働かせ、世界銀行に対して上下水道の民営化と水利権の売買を、民間企業の民営化に資金提供と技術指導を約束するようになった。

それまで天から降ってくる無償の贈り物であった水資源を、商品として管理することを世銀・国連に要求し、それを自分たち民間に請け負わせるように要求し、莫大なリベートと引き替えに、腐敗官僚からそうした権利を入手していったのである。

インドは、【リンク】軍事を拡大する一方で、手が十分にまわせていない重要な事業があります。それがインフラ整備。インドは圧倒的にインフラが弱い。モンサントはこうした状況から、汚職がはびこる政治に食い込みつつ利権を獲得しています。

では、次に直近のインドの政治状況を見てみましょう。

 

■政権交代

現在インドでは総選挙が進んでいますが、政権交代が起こる可能性が高い情勢です。金貸し達との関係が気になるところですが、経済政策を見る限り、金貸しの影響はかなり受けていると思われます。【リンク
●インド次期首相の最右翼、モディ氏の評判と課題
1991年の経済改革を財務相として率い、2004年に首相に就任した与党国民会議派のマンモハン・シン首相(80)だが、景気低迷と汚職で国民の失望を買い、次期総選挙での苦戦は火を見るより明らか。一方、10年ぶりの政権奪還を狙う最大野党インド人民党(BJP)は、西部グジャラート州のナレンドラ・モディ州首相(62)が首相候補に…【リンク

●インド版「サッチャー改革」へ、政権交代目指すモディ氏が描く未来
最大野党インド人民党(BJP)を率いるナレンドラ・モディ氏は、小さな政府と民営化の必要性を訴える
支持者らはモディ氏を「インド版サッチャー」だと呼んだ。

ロンドンを拠点にする銀行家・・・サッチャリズムを小さな政府や自由な企業と定義するなら、モディノミクスとサッチャリズムに違いはない
モディ陣営は、(上記銀行家と)同様の価値観を持つボランティアスタッフを全国規模で数百人抱えており、彼らの中にはゴールドマン・サックスやJPモルガンで働いていた人もいる。

モディ氏の側近には、著名なエコノミストや実業家もいる。彼らはモディ氏率いるBJPが、社会主義的な過去のインド政権とは一線を画し、社会福祉の削減やビジネスにおける政府の役割縮小に動くとの願望を共有している。
一部国営企業の民営化も活発に議論
失業手当や助成金は必要ないというのが基本理念

インドは少なくとも当面は何らかの貧困救済策が必要となるが、それらのスキームは何らかの資産創造に関連付けられる
モディ新政権誕生を見込み、海外で活躍する自由市場推進派が大勢帰国している。【リンク

議論されている経済政策を見る限り、英国のサッチャーと同じく、新自由主義派であることは間違いなさそうである。ロスチャのBRICS戦略に乗って、自由経済化を進めてきたシン首相から、さらに自由経済化を推進する考えのようです。

しかし、一方でモディ師はヒンズー主義尊重のナショナリストだから、欧米マスコミは嫌っているという見方もあります。【リンク

少ない情報で推測の域を出ませんが、モディ氏は、思想的には民族宗教的な思想を持っていたとしても、経済政策的には金貸しのブレーンが背後にいるところからみて、金貸しがインド市場支配を強めようと画策しているのは間違いないでしょう。果たして、モディ新政権が金貸しの戦略に操られていくのかどうかが注目点です。

■まとめ

現在、インドは、巨額の軍事費を支出しつづけ、新産業で勢いのある企業が発展してきました。

その背後には、既に金貸しが暗躍しているのではないかと推測ましたが、その決定的な証拠は、見つからず、逆に軍は、反金貸しロシアとの結びつきが強く、新規企業は未だに国民派の企業が主導権を握っていると思われます。

これまでのインドは、金貸しが参入する事がなかなか出来きていないともとれますが、一方で、金貸し達のインフラ事業への参入や直近の政権交代劇を見ると、金貸し達が、インド市場をじわじわと牛耳ろうとしていくのではないかとも考えられ、特に立ち後れたインフラ事業については、汚職はびこる政治家や官僚達に接触しながら、電力、道路、電話等開発余地のある産業に参入していきそうな気配も見てとれます。

果たしてインドは、金貸し達に取りこまれていくのか?それともロシアや中国のように、反金貸し勢力として対抗していくのか?その動向が極めて注目されていくでしょう。

さて、次回以降は大国中国シリーズです。お楽しみに

List    投稿者 shirohanamizuki | 2014-05-01 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kanekashi.com/blog/2014/05/2414.html/trackback


Comment



Comment


*