2017-10-12

スペイン、カタルーニャ州独立の住民投票の不思議

DLE6RZlUMAAVLkTスペインのカタルーニャ州で10月2日に行われたカタルーニャ州独立の住民投票の結果は90%以上が賛成したことに注目が集まっており、カタルーニャ地方では独立の機運が高まっているのかと思ったのですが、実際にはさほどでもないようです。

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州政府の発表によれば、独立賛成は90.18%ですが、投票率は43%と過半数に満たず、賛成票を投じた人は有権者の37%しかいなかったのです。また、投票前の今年7月22日のカタルーニャ州政府管轄の意見調査センター(CEO)が発表した世論調整によると、州民の49.4%が独立反対、41.1%が独立賛成という調査結果もあります。独立反対派は、住民投票が憲法違反に当たるとして、投票をボイコットしたという報道もあります。

少し調べればわかることなので、マスコミもこの事実を隠蔽しようとまではしていないようですが、マスコミ報道の大勢は、カタルーニャの独立を支援し、それを抑え込もうとする国を批判的に報道している印象を受けます。警官が投票を阻止するために市民に暴力をふるっている写真も数多く報道されています。

同時期に発生したイラクのクルド人自治区独立の住民投票も肯定的に大きく報道されています。このようなマスコミの印象操作の裏には、何らかの思惑が隠されている可能性が高いと思われます。どんな思惑でこのような報道がされているのか考えてみました。

この間、世界潮流になっているのが反グローバリズム=ナショナリズムの潮流です。グローバリズムは国際金融資本勢力が推し進める流れで、これは国際金融資本が国家の影響から自由になろうとする動きとも言えます。これまでは、国家も市場の活性化のためにグローバリズムを推進してきました。しかし、グローバリズムの結果ほとんどの国で貧富の格差が増大し、大衆は反グローバリズムを支持しナショナリズムを強めています。

国家権力の弱体化を進めてきた国際金融資本としては何らかの手を打つ必要があり、グローバリズムが大衆の支持を失う中で、次の手として打ってきたのが民族主義なのかもしれません。民族の自立という主張であれば大衆の支持も得られるし、国家を分裂させることで国家権力を衰弱させることも出来ます。グローバリズムと民族主義、全く正反対の価値観のようですが、反国家という視点でみれば同じ価値観とも言えそうです。

 

■スペイン・カタルーニャ州、10月に独立問う住民投票 「違法」と政府2017年6月9日

スペインのカタルーニャ自治州は、独立を問う住民投票を10月1日に実施すると発表した。中央政府はこのような投票は違法として阻止する意向を示した。自治州のプチデモン首相が発表した。首相によると、投票日と投票で問う内容について中央政府と合意しようとしたが、強硬な反対にあい、一方的に発表せざるを得なかったという。

中央政府はこの発表に反発、政府報道官は「住民投票は違法」として阻止する意向を示した。

スペイン憲法では、中央政府は自治州に介入する権限を持っており、警察による介入や自治政府の統治権限停止も可能。

■カタルーニャ独立支持派が大規模デモ 住民投票控えるスペイン・バルセロナで2017年9月12日

スペイン北東部カタルーニャ地方の独立を問う住民投票を3週間後に控え、独立支持派は11日、主要都市バルセロナで大規模デモを行った。独立派寄りのカタルーニャ自治州の議会は今月、住民投票で独立が支持された場合にはスペインから分離・独立する法律を可決した。

11日のデモ参加者の数の推計にはばらつきがある。デモ主催者が100万人を超えたとした一方、地元メディアはスペイン政府関係者の話として、主催者の推計よりも大幅に少なかったと報じた。バルセロナ警察は11日夕、ツイッターで「約100万人が(デモに)参加した」と述べた。

■スペイン・カタルーニャ州独立の住民投票を阻止しようとする警察と住民とが激突する衝撃的な現地動画&写真まとめ2017年10月2日

カタルーニャ州のスペインからの独立の賛否を問う住民投票が現地時間10月1日に行われました。州政府によると、投票のうち9割が独立に賛成するものだったとのことですが、警察が実力行使で投票を阻止しようとしたり、国が住民投票が行われたこと自体を否定するなど、溝は深まっています。カタルーニャ州の州都・バルセロナをはじめとして、各地でスペイン警察が抗議行動を行う人たちを武力鎮圧している映像が複数の人・ソースによって拡散されています。警官たちは実弾こそ使っていないものの、警棒で人々を殴りつけています

■カタルーニャ住民投票賛成9割 議会の独立宣言焦点2017年10月3日

スペイン北東部カタルーニャ自治州の分離独立の是非を問う住民投票は一日、即日開票され、州政府は二日未明、賛成票が九割を占め「独立国になる権利を得た」と発表した。地元紙によるとプチデモン州首相は二日の記者会見で、中央政府との対立を受け国際社会による調停が必要と表明。投票阻止のため投入された警察による暴力を検証する委員会の設置や、警官隊の自治州からの撤収も求めた

二日未明に州政府が発表した暫定開票結果では、有権者五百三十四万人のうち二百二十六万人が投票し、投票率は約42%。賛成票は二百二万票だった。

■カタルーニャ住民投票は「違法選挙」。EUも認めた2017年10月04日

有権者数5,343,358人、独立支持票2,020,144票、反対票176,566票,、無効票45,586票という今回の結果から、投票率は過半数を満たさず42%、独立支持率は38%だった。カタルーニャ政府は執拗に独立国家になるとして、それに州民も共鳴していたような今回の住民投票であった。それが、過半数を満たさない投票率という結果に終わった。なぜ?カタルーニャ州には独立賛成支持派と同等の独立反対派がいるということなのである。反対派は今回の住民投票は違憲だとして投票しなかったのである。

今年7月22日のカタルーニャ州政府管轄の意見調査センター(CEO)が発表した世論調整によると、州民の49.4%が独立反対、41.1%が独立賛成という調査結果になっているのである。2016年7月に賛成支持が反対支持を上回った時があったが、2014年12月から2017年6月まで独立反対が常に独立賛成を上回っていたのである。

■スペイン国王、カタルーニャ州指導者を「社会を分断」と非難2017年10月4日

スペイン国王フェリペ6世は3日のテレビ演説で、スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立を巡る住民投票に関し、自治州政府の指導者が民主主義の原則に反して同州の社会を分断したと非難した。

■カタルーニャ住民投票、スペイン独立賛成は90.18%=自治政府集計2017年10月9日

カタルーニャ州自治政府は1日に行われた住民投票の最終結果を公表、スペインからの独立への賛成は90.18%となった。反対は7.83%だった。投票総数は230万人近くで、選挙登録人の43%程度となった。

■カタルーニャ独立は困難 州首相、州議会演説へ 独仏は中央政府支持2017年10月10日

スペイン東部カタルーニャ自治州で行われた住民投票で独立支持が90%を占めたのを受け、プチデモン州首相は10日夕(日本時間11日未明)、州議会で演説を行う。欧州連合(EU)を牽引するドイツ、フランス両国はスペイン中央政府の「独立阻止」の方針を支持。即時独立はきわめて困難な情勢だ。

独政府報道官は9日、メルケル首相がスペイン中央政府のラホイ首相との電話会談で、「スペインの統合」への支持を伝えたと発表。また、仏のロワゾー欧州問題担当相は9日、仏テレビで「独立宣言は認めない。独立はEUを脱退するということだ」と述べた。

■カタルーニャ州首相「独立宣言」棚上げ 中央政府に話し合い求める2017年10月11日

スペイン東部カタルーニャ自治州でプチデモン州首相は10日、1日の住民投票で独立支持が多数を占めたのを受けて州議会で演説し、「カタルーニャは共和制の独立国家となる権利を得た」と「独立宣言」した。そのうえでプチデモン氏は「州議会に独立宣言の効力を数週間差し止めるよう求める。その間に中央政府と対話し、合意による解決を目指す」と述べ、対話を探る方針を示した。同氏はまた、「欧州連合(EU)に関与を求める。EUの基本理念が問われている」と述べ、改めてEUに中央政府との交渉に向けた仲介を求めた

List    投稿者 dairinin | 2017-10-12 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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