2018-09-06

反グローバリズムの潮流(スウェーデン・ショック、スウェーデンにも反EU政権が成立するか?)

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反グローバリズムの潮流(北欧の民族主義政党)で、1年以上前にスウェーデンで反EUを掲げる極右政党、民主党が躍進ていることを紹介しましたが、総選挙が9月9日に近づいてきた今、その極右政党民主党が勢力を伸ばし、第1党になる可能性も出てきました。スウェーデンで何が起こっているのでしょうか。

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2017年9月ドイツでAfD(ドイツのための選択肢)が躍進。94議席を獲得。2017年12月、オーストリアで国民党と自由党の連立であるクルツ政権が誕生。2018年6月イタリアで同盟、五つ星運動の連立であるコンテ政権発足。

これで、スウェーデンにも反EU政権が成立すれば、EUの統合力は大きく低下することになりそうです。スウェーデン民主党の躍進を伝えるマスコミの論調は、相変わらず極右勢力の偏狭な人種差別意識が根本原因であり、ナチスの流れを汲む思想の問題だと報道していますが、大きな間違いです。

EU=グローバリズムの本質は、自由競争の推進であり、それは強いものにお金が集まり、弱いものはさらに貧乏になると言うことを意味しています。EUが移民を増やしているのも、人権擁護が主目的ではなく、安い労働力をEUに導入する事です。大量の移民が流入すれば、当然、平均賃金が下がり、資本家や金貸しは儲けることが出来、元からEUにいた労働者は貧乏になります。スウェーデン人にとって、祖国がイスラム化して行くことよりも、移民の流入による賃金の低下の方がより重要な問題だと分析している人もいます。

いずれにしても、一般のスウェーデン人にとって移民の大量流入は、自国の文化を破壊し、治安を悪化させ、賃金の低下を招く、と何もいいことがありません。利益があるのは、賃金が下がって金がもうかる資本家、金貸しだけであることは明らかです。

彼らは、それをごまかすために、人権意識を振りかざすわけですが、考えてみれば、元からスウェーデンにいた人の人権は資本家、金貸しによって抑圧されているのです。そのような視点でスウェーデン民主党の主張を見ると、極右勢力の異常な主張ではなく、一般国民の当たり前の願いではないかと思えてきます。

 

■2018年9月9日にスウェーデン総選挙2018年1月4日

スウェーデンは、日本と違って、選挙は定期的に行われます。衆議院解散などの突然の動きは普通ありません。さらに時期がバラバラの地方選挙ではなく、市議会、県議会、国会、すべてが同じ日です。今年は 9月9日(日曜日)が投票日となります。9月の2つ目の日曜日に決まっています。

2014年の選挙の結果をこのブログで報告しました。社会民主党と環境党の連立政権ができて環境党がはじめて入閣しました。選挙後のころは環境よりも移民政策の議論が中心でした。その背景の1つは難民や移民の受け入れに消極的なスウェーデン民主党が国会で第3党になったことです。もう1つは2015年の間に16万人ほどの難民がスウェーデンにやってきたことです。その受け入れがなかなか大変だったので、受け入れについての意見がいろいろ全面に出てきました。

■欧州で「反移民」に勢い、スウェーデン極右政党人気2018年8月8日

移民や難民の受け入れに寛容とされてきたスウェーデンで議会選挙が1カ月後に迫り、反移民を掲げる極右のスウェーデン民主党が第1党をうかがう勢いをみせている。欧州の国政選挙で極右政党が第1党になれば第2次大戦後で初めて

「スウェーデン・ショック」。9月9日に投開票の議会選(定数349議席)を巡って、欧州メディアでこんな言葉が広がり始めている。理由は世論調査での極右・民主党の躍進ぶりだ。

「移民の大量流入が莫大なコストと社会のひずみをもたらしている」。民主党を率いる39歳のオーケソン党首は選挙向けの動画で訴える。難民や移民の受け入れや社会統合よりも、両親ともに自国生まれのスウェーデン人の社会保障や雇用確保に国の財源を充てるべきだなどと主張して支持を伸ばしてきた。

難民受け入れに積極的だったスウェーデンで、極右政党が第1党になれば、オーストリアやイタリアで連立政権の参加が相次ぐ欧州の極右・ポピュリズム政党をさらに勢いづける公算が大きい。19年5月に控える欧州議会選挙での反移民や反EUを掲げる勢力の台頭につながる可能性もある。

■【三橋貴明】スウェーデン・ショック2018年8月17日

2017年9月ドイツでAfD(ドイツのための選択肢)が躍進。94議席を獲得。

2017年12月、オーストリアで国民党と自由党の連立であるクルツ政権が誕生。

2018年6月イタリアで同盟、五つ星運動の連立であるコンテ政権発足

そして、またもや欧州のグローバリズムを揺るがす総選挙が近づいています。すなわち、スウェーデン総選挙です。

2014年、「移民亡国論」の取材でスウェーデンに赴き、フースビーやマルメのローゼンゴードの状況をこの目で見てきました。スウェーデンという スウェーデン人の国の中に、明らかにアラブ人(シリア人やレバノン人)の「国」が出来上がっている。何よりも怖かったのは、ネイティブなスウェーデン人が「国の中の国」であるアラブ人居住区について、「何もない」かのごとく振る舞っていることでした。人権について繰り返し「教育」されたスウェーデン人は、イスラム化する祖国を「見て、見ぬふり」をしていたのです。

もっとも、当時のスウェーデンでより重大な問題は、ハンガリーやポーランドからの「EU移民」が最低賃金以下で働き、スウェーデン人の所得や雇用を奪っていることでした。実際、ストックホルムを歩いていると、移民運転手に抗議するトラックドライバーのデモを見かけました。

日経新聞は相変わらず「極右」扱いしていますが、民主党の政策は、●社会保障に対する移民のフリーライド(ただ乗り)を許すな。●移民受入に反対し、移民・難民の祖国帰還を支援する。●多文化共生主義に反対。●EU離脱交渉開始。●スウェーデンの文化・価値観の維持。と、わたくしに言わせれば「普通」の政策ばかりです。「普通」とは、「スウェーデン国民のための政策として普通」という意味になりますが。

■スウェーデン総選挙2018 2018年8月30日

スウェーデンには、幾つもの支持政党調査機関がありますが、そのうちの一つが出した、選挙2週間前の有権者の支持政党についてのある集計結果。何と極右政党のスウェーデン民主党が最大政党になるという、、、。

やはり、これまでの移民政策に対する不満が大きくなっているんでしょう。あまり関係のない私でさえ、病院で多くの移民(特に社会問題となっているイスラム系移民)に会う中で、医療分野における移民問題を考えてしまうことが度々。何十年スウェーデンに住んでいてもスウェーデン語が話せず、(患者負担無料で雇える)通訳をつける人、働けるのに専業主婦をしていたり、子供を多く産んで子供手当てで暮らしている女性たち、、、。スウェーデンでは移民、非移民の立場にかかわらず平等な医療が提供されます。外来や手術の予定が遅いと言って不満を申し出るのは、大人しいスウェーデン人よりも移民の方が割合的に多かったりします。

■「トランプ戦略」で極右のスウェーデン民主党に勢い-9日総選挙2018年9月3日

9日に総選挙実施のスウェーデンで、与党・社会民主労働党はこの1世紀で最悪の結果を見る可能性がある。同党最大の支持基盤であるスウェーデン全国労働組合連盟のリーダーは極右政党のスウェーデン民主党(SD)を支持する労働者が増えているため、労組メンバー間で緊張が高まっていると語る。

同氏によると、SDは労働者を引き付けるため「トランプ氏のような戦略」を活用。「普通の人のための党のふりをする。LOのメンバーに対しては、中道勢力であり、保守派を左派寄りにしたい意向があると言うが、現実の彼らの提案は大変に見え透いている」と語った。

白人至上主義運動に源流を持つSDは、8年前に議席を初獲得。ここ数年の記録的な難民および移民の流入に伴って、支持者を増やした。世論調査によれば、SDは支持率約19%で2位。社会民主労働党は約25%。野党勢力として現在最も大きい穏健党の支持率は18.7%。

■「人道大国」がどんどん不機嫌になる理由 北欧スウェーデンでも極右政党が台頭2018年9月6日

9月9日に迫ってきた総選挙(定数349、比例制)で、ネオナチの起源を持つスウェーデン民主党が議会第1党をうかがう勢いを見せている。8月30日のSetioと同月30日~9月1日のYouGovの調査でスウェーデン民主党(それぞれ24%と24.8%)が社会民主労働党(同22.1%、23.8%)を僅差で逆転して首位に立った。

同国の犯罪防止国民会議の調査では2016年に国民の15.6%が暴行や脅迫、性犯罪、強盗などの被害に遭っていた。前年の13.3%から上昇し、06年に統計がとられるようになってから最悪を記録。2017年に人口は1012万人まで増えたが、このうち外国生まれは188万人、移民二世は56万人。外国背景を持つ人口割合が24.1%に達している。これに15年の欧州難民危機でなだれ込んだ16万3000人の難民が加わり、スウェーデン社会はパニックにも似た不安にとらわれている。

スウェーデン民主党が結成されたのは1988年。党首はネオナチ活動歴があり、制服を着用した示威的な運動を展開。しかし95年以降、主張をオブラートに包むようになり、2005年、現在のオーケソン党首になってからネオナチ活動歴のあるメンバーを追放して党の「毒消し」に努めた。

スウェーデン民主党の論理は移民・難民悪玉論の一点張り。「犯罪が多発するのは移民のせい」「福祉予算が逼迫するのは移民が増えたから」「移民がスウェーデンの伝統と文化を崩壊させる」。スウェーデンの主権を薄める欧州連合(EU)からの離脱を唱えている。

List    投稿者 dairinin | 2018-09-06 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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