2019-11-14

プーチン大統領の世界戦略(脱欧米=脱金融支配に向かう)

Russian President Putin meets with Chinese President Xi during their meeting on the sideline of the BRICS summit in Brasilia1年ほど前に、プーチン大統領の世界戦略の動向を「目先の経済的な繁栄を考えるとアメリカ、EUとの関係は重要ですが、長い目で見ればBRICS諸国や途上国にこそ発展の可能性があると判断し、特に中国との関係を重視しているようです。」とお伝えしましたが、その後どうなっているか改めて調べてみました。

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やはり、プーチン大統領の読み通り、アメリカやEUはグローバリズムが行き詰まり、国内政治が混乱し、国際社会での影響力をどんどん低下させています。そんな中でロシアは中国と歩調をそろえて、BRICSや発展途上国との関係を着実に強化しています。日本ではまだまだ欧米が世界の中心と言った意識が濃厚ですが、世界全体を冷静に見れば、世界の中心はロシア、中国へと転換しつつあります。

この動きを加速させているのが、ロシアと中国の関係改善です。建国当初は同じ共産主義国家として協力関係にありましたが、共産主義の路線対立と国境問題で関係が悪化していたのが、2000年代に入り改善に向かいます。それが、ここ数年でさらに関係が緊密化して来

ました。ロシアはウクライナ問題で、中国は米中貿易摩擦で、アメリカとの対立が激化したことも大きな要因ですが、それよりも大きいのは先に述べた欧米が衰退したことでしょう。

欧米では、金融資本が国家を支配した結果、経済発展の限界を迎えていますが、ロシア、中国では国家が資本を制御する事に成功しつつあります。ロシア、中国はともに新しい可能性を見出すことが出来たから、争う事よりも協力して次の時代を切り開く方に可能性を感じていると思われます。

 

■ロシア大統領、サウジで首脳会談 中東での存在感誇示2019年10月15日

ロシアのプーチン大統領は14日、サウジアラビアの首都リヤドを訪問し、サルマン国王と会談した。プーチン氏は「両国の協力は中東の安定確保に不可欠だ」と述べ、2国間関係の強化に意欲を示した。米国が中東への関与に消極姿勢を示す中、今回の訪問にはロシアの地域での存在感を高める狙いがあるとみられる。

■ロシア、シリア北部に憲兵隊派遣 トルコとの協力で影響拡大2019年10月24日

米軍が撤収するシリア北部でのロシアとトルコの協力が動き出す。ロシア憲兵隊は23日、クルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」の要衝の1つであるコバニに到着、YPG勢力退去の監視を始めた。ロシア・トルコ両国は、29日からトルコ国境10キロ以内の地帯で共同警備を開始する。ロシア憲兵隊に続き、ロシアが支持するシリアのアサド政権の国境警備隊もコバニ入りする。

■ロシア・アフリカ首脳会議が閉幕 武器、対テロで影響力強化2019年10月25日

「ロシア・アフリカ首脳会議」は24日、貿易・経済、軍事・安全保障などさまざまな分野で双方の関係強化を目指す共同宣言を発表し2日間の日程を終えた。プーチン大統領は24日の全体会合で、地域の安全保障への関与を強める意欲を示し、軍事技術協力協定を結ぶ30以上の国々への武器輸出や兵士の訓練を拡大すると表明。

■「自由主義は終わった」~米英を歯牙にもかけないプーチン大統領2019年10月30日

アメリカでもイギリスでも自由民主主義が混乱しています。これを中国やロシアが、繰り返し国内でアピールするのです。プーチン大統領は「もう自由主義は終わった」ということを言うわけですね。やはり大きな流れを読んでいるのだと思います。9月にロシアでプーチン大統領に会って、直接質問する機会もあったのですが、去年(2018年)までと違ってほとんどアメリカに触れないですね。アメリカやイギリスは自滅していると。もはやまともに論じる意味もないというくらい、イギリス政治とアメリカ政治の混乱を見下しているのです。

■ロシア・プーチン大統領、AI技術力の強化を主張:2030年までに人間の知的活動と同等に2019年11月2日

さらにAI国家戦略プランでは、ロシアがAI技術において世界のリーダー的存在になり、AI技術において他国に依拠しない独立性とロシアのAI技術の競争力を強化していくことが重要であると強調。ロシアは今後10年でAI技術の活用によって年間1.2%のGDP成長を目指している。

ロシアはAI技術を強化することによって、国際競争力を高めようとしている。またAI技術は経済・産業分野だけでなく、軍事分野でも応用が可能であり、今後の軍事戦略においてもAIを活用した兵器とシステムは重要になることから、AI技術の発展は国家の経済力の強化だけでなく安全保障と国際システムのバランスの維持にも直結している。現在でもAI技術力を有するのはアメリカ、中国が中心であり、ロシアは米中に比べるとAI技術力においては遅れをとっており、ロシアとしてもAI技術力の強化は課題になっている。

■最高速度マッハ9! ロシア海軍の最新艦は、極超音速ミサイルを装備へ ─プーチン大統領が明かす2019年11月7日

ロシアのプーチン大統領は10月31日、極超音速巡航ミサイル(HCM)のツィルコンは「確実に」11月に就役を予定している露海軍の最新コルベット艦グレミャーシチイに搭載されるだろうと述べた。ツィルコンはまだ開発中だが、現在使用されているどんな防衛システムにも迎撃できないと、タス通信は報じている。

■ハイテク技術で急接近、中国とロシア2019年11月8日

最近、中国とロシアの急接近が話題になっていて、「中ロ同盟の成立か?」と先走るメディアも出てきた。特に米中貿易戦争により米国の付加関税や中国のハイテク企業・華為技術(ファーウェイ)に対する制裁措置などの攻勢を受けている中国のロシアへの接近は、単独で米国と対峙するよりもロシアと連携してこれに対処しようとする意図が読み取れる。

中国は、ロシアのSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の研究開発能力や科学技術力を求めてロシアに接近していることは明らかであり、ロシアは中国のハイテク能力の活用を望んでいるようである。今後、中国とロシアの間のハイテク協力は、短期的に深まり加速する可能性が高い。

■NATO加盟国トルコ、F35の代わりにロシア戦闘機スホイ35を購入か。注目集まる米トルコ首脳会談2019年11月12日

北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコがロシアの地対空ミサイル防衛システム「S400」を購入したことに対し、トランプ政権幹部は強く反発し、トルコがこの購入を止めなければ経済制裁も辞さない構えを示している。トランプ大統領は2019年7月、トルコが実際にS400の搬入を開始したことに対抗し、米ロッキード・マーチン製の最新鋭ステルス戦闘機F35のトルコへの売却を凍結する方針を示した。

これに対し、エルドアン大統領はF35の代わりに、ロシア製戦闘機の「スホイ35」と「スホイ57」を購入する可能性を再三にわたって示唆し、アメリカを強く牽制している。エルドアン政権に近いトルコのデイリー・サバ紙は10月、トルコがロシアと36機のスホイ35の調達で合意間近と報じた。

■中露が手を組み米を牽制? …習近平、プーチンが“協力”強調2019年11月14日

習近平中国国家主席が13日(現地時間)ブラジルで開かれた第11回新興5か国(BRICS)首脳会議の場で、ロシアのウラジミール・プーチン大統領と会談し、中露両国間の協力を強調、米国を牽制するような姿を見せた。

プーチン大統領は「ロシアと中国の関係は対外的な要因に影響を受けず、堅固で安定的で健全な発展の勢いと広い可能性を保っている」「ロシアは両国の交易規模と水準をより高め、一帯一路イニシアティブ(BRI)とユーラシア経済連合(EAEU)の連結を加速化しながら、農業、宇宙、航空、エネルギー、金融などで協力を拡大し、また対中天然ガスの輸出量を増やしていく」と語った。

List    投稿者 dairinin | 2019-11-14 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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