2020-05-12

ロシアのコロナウイルス問題その後、感染者数世界2位まで激増。そのタイミングで活動制限を緩和

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4月7日に日本を追い越し421日に世界で10位の感染者数まで増加したことをお伝えしたロシアのコロナウイルス問題、その後も激増を続け、4月30日は10万人を突破し中国を追い抜き、5月11日にイタリアを抜いて世界4位になったと思ったら、512日にはイギリス、スペインも抜いて世界2位の感染者数になりました。このタイミングでプーチン大統領は活動制限の緩和を宣言しました。今、ロシアで何が起こっているのでしょうか。

 まず、感染者数の激増ですが、ロシアでは日本の自粛よりも、はるかに厳しい外出規制が行われており、にもかかわらず感染者が激増しているのが不思議なところです。プーチン大統領はPCR検査の実施数が多いことが原因だと説明しており、毎日約17万件実施しています。日本では毎日8000件程度だそうですから、20です。

日本の感染者が15千人ほどですから単純に20倍すると30万人となりロシアの23万人を超えます。プーチン大統領が言っていることもあながち嘘ではないのかもしれません。しかも感染者数が多いのに対して、人口10万人あたりのロシアの死亡者数は1.3人であり、日本の0.5人よりは多いものの、スペインの56.7人、イギリスの47.6人、アメリカの24.1人などよりは、ずっと軽微です。

ロシアで感染者が増加している要因として、日本に比べて、国民が国の言ううことを聞かない、衛生観念が低い、医療制度が充実していない、などを挙げている人もいて、社会主義国のロシア人より自由主義国である日本人の方が国の言うことに従順という分析は面白いのですが、数字だけを見ると単純に検査数が多いからという説明が一番しっくりきます。

これほど、感染が悪化している中で、プーチン大統領が活動制限の緩和を宣言したと聞いて、コロナウイルス問題に加え石油価格の暴落で経済状況が悪化し、国民を抑えきれなくなったのではないかとも思ったのですが、死者数の少なさからみると、プーチン大統領はコロナウイルスの危険性はインフルエンザに比べてたいしたことがないということをわかっていて、冷静にそろそろ緩和してもいいだろうと判断したのかもしれません。

 

■ロシアの新型コロナ感染者数が10万人突破、中国イランを超える2020430

ロシアの新型コロナウイルス危機対策センターによると、国内の新型ウイルス感染者数が30日時点で10万人を突破、累計で10万6498人となった。ロシアの感染者数は今週に入り、中国とイランを上回った。ロシアはロックダウン(都市封鎖)措置を開始して5週間目に入った。プーチン大統領は28日、国民に向けてテレビ演説を行い、ロックダウンを5月11日まで延長すると発表。最悪期はまだこれからとの見解を示した。

■ロシアで新型ウイルス感染者が急増、世界7位に 首相や閣僚も202054

ロシアで新型コロナウイルス感染者の確認が急増している。3日には24時間あたり過去最多の1633人の感染者が見つかったと発表した。この日の増加でロシアの感染者数は、世界で7番目に多い134686人となった。同国の人口は約14000万人。モスクワでは厳しいロックダウン(都市封鎖)が実施されており、市民は特別な場合を除いて外出が禁じられている。

同国では先週、ミハイル・ミシュスチン首相が新型ウイルスの感染症COVID-19を発症していることが確認された。重要閣僚から患者が出たのは初めてだった。今月1日には、ウラジーミル・ヤクシェフ建設住宅相がCOVID-19を発症していることが確認され、閣僚の患者は2人となった。

■プーチン氏就任20年 新型コロナで難局―ロシア202056日

プーチン氏は今年、自らの5選出馬に道を開く憲法改正を主導し、求心力拡大を狙っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大でシナリオに狂いが生じた。コロナ禍で経済への打撃も大きく、難しい局面に立たされている。5月9日にはモスクワで各国首脳を招いた戦勝記念行事を計画。改憲を成立させた上で華々しく行事を行い、就任20年のプーチン氏の指導力を内外に誇示する筋書きを描いていたが、全国投票も戦勝記念行事も新型コロナの感染拡大で延期になった。

世界的な原油価格の急落も追い打ちを掛ける。ロシアは国家予算の35%程度を石油・天然ガス関連の歳入に依存。油価下落に加え、ロシアは新型コロナの感染拡大を受け、3月末から経済活動を抑制する「非労働期間」に入っており、欧米の制裁で停滞する経済は一層減速する見通しだ。ロシア中央銀行は今年の経済成長率をマイナス4~6%と予測した。

世論調査によれば、プーチン氏の支持率は昨年末の68%から3月は63%に下落。政権の新型コロナ対策をめぐり4月に一部の地方で抗議デモが起きたほか、野党勢力はインターネット上での抗議活動を散発的に開催している。

■ロシア 新型コロナ感染者が世界で4番目の多さに2020512

ロシアの保健当局は11日、感染者が221000人を超えたと発表しました。イタリアを上回り、アメリカ、スペイン、イギリスに次いで4番目に多くなっています。

ロシア、プーチン大統領:「ロシア全土で産業の休業期間を終了する」そうしたなか、プーチン大統領は12日から製造業や建設業などの活動を再開するよう指示をしましたが、感染の状況はさらに悪化する恐れがあります。モスクワなどの大都市では今月末まで通勤などを除く外出禁止令の延長がすでに決まっています。

■ロシア感染者、米国に次ぐ 制限緩和で悪化懸念も―新型コロナ2020512

ロシアの新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない。ロシア政府は12日、累計の感染者数が23万2243人になったと発表。米国に次いで多い水準となっている。しかし、これ以上の景気の悪化に耐えられないロシアは12日から経済活動の制限を緩和しており、一層の感染拡大も懸念される。

ロシア政府は感染者数の増加について「大量に検査を実施しているため」と主張する。保健当局によれば、これまでに560万件の検査を実施。プーチン大統領は11日、検査について「現在、毎日約17万件実施されている。世界でも最も多い数だ」と強調した。

プーチン政権が経済活動の部分的再開を急いだのは、コロナ禍に加えて原油安により、資源輸出に依存するロシア経済が深刻な打撃を受けているからだ。不満が高まり政権批判が先鋭化する事態を警戒している。

■ロシアの新型コロナ感染拡大で深まる謎 どこで日本との差が生じたのか?2020512

ごく単純なことですが、日本の人口は12,650万人、ロシアの人口は14,450万人ということで、人口の規模感がだいたい同じくらいです。そして、首都一極に人口や経済力が集中する構造も似通っています。3月頃の状況は概ね似たり寄ったりでした。にもかかわらず、日本とロシアの感染確認の数にはその後、大きな差がつきます。当初は日本の方が上回って推移していたのですが、331日に初めてロシアが日本を抜き、4月に入るとみるみる差がついていきました。510日の時点で、日本の累計感染者数は15,747人。それに対し、5月に入り連日1万人超えのロシアは、10日の時点で209,688にまで膨らんでしまいました。この1ヵ月あまりで10倍以上の差がついたわけです。

感染急拡大の一方で、ロシアにはCOVID-19による死亡者が欧米と比べてかなり少ないという特徴もあります。人口10万人あたりのロシアの死亡者数は1.3人であり、日本の0.5よりは多いものの、ベルギーの75.1人、スペインの56.7人、イタリアの50.3人、イギリスの47.6人、アメリカの24.1人などよりは、ずっと軽微です。日本ではPCR検査数が抑制されてきたのに対し、ロシアは積極的に検査を実施してきたので、それにより感染確認数に生じた差は小さくないでしょう。その表れとして、ロシアでは、感染確認者に占める高齢者(65歳以上)の比率が15%にすぎず、無症状者の比率が45%以上に上り、肺炎の重症患者は5%にすぎない、といった特徴が生じています。

ロシアのCOVID-19死亡者が少ないことに関しては、疑問の声もあります。当局発表の死亡者数が翌日に下方修正されたりする不可解な現象があり、また直接の死因がコロナでなければCOVID-19死亡者としてカウントされないという問題も指摘されています。

何が日本とロシアを分けたのか?まず、日本とロシアでは、国家・社会の構造や関係性が大きく異なります。日本では、政治権力が強権を発動したりはしませんが、大多数の国民が公共心を発揮して、感染拡大防止に自発的に協力します。それに対し、ロシアでは国家権力が強制力のある方針を決めても、企業や市民は必ずしも真剣に受け止めておらず、ウイルスなどどこ吹く風といった行動を続ける人もいます。

次に、日本とロシアでは、やはり衛生観念がだいぶ異なります。ロシア人も、自分の私的空間は綺麗に保つのですが、公衆トイレの汚さに象徴されるように、公共空間が不衛生である場合が多いですね。

それとも関連して、マスク装着の習慣が、やはり日露では全然違いますね。欧米はだいたいそうだとは思いますが、従来ロシアにはマスクをつけるという習慣がほとんどなく、新型コロナウイルス流行後に増えはしたものの、全面的に普及したとは言いがたい状況です。

より直接的な要因を挙げれば、病院をはじめとする公共機関での集団感染の多発を指摘しなければなりません。ロシアでの感染源の3分の2近くは病院であるという指摘もあります。深刻なことに、医療従事者の感染が増えており、すでに100名以上が命を落としたという情報もあります。病院の他にも、軍隊、福祉施設、教会などでのクラスター発生が報告されています。

単純に自然条件の違いなのかもしれません。アメリカの政府系研究機関からは、「コロナウイルスは日光・高温・多湿で威力が弱まる」との情報も寄せられています。

List    投稿者 dairinin | 2020-05-12 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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