■金貸しは日本をどうする?~エネルギー支配(2)原子力発電はすでに終わりの見えたエネルギー
前回に引き続き、世界的な金貸しのエネルギー戦略について理解を深めていきたいと思います。今回は、前回扱った化石燃料と同じく一次エネルギーである、原子力発電について焦点を当てます。原発市場に金貸しがどのように関与しているのか、今後どうしようとしているのか、現状とそれに至るまでの経緯を見ながら紐解いていきましょう。
写真はこちらからお借りしました<リンク>
スリーマイル、チェルノブイリ、福島原発と歴史的な原発事故を経験してもなお、世界の原子力発電所の数は増え続けています。2014.01.01時点での世界の稼働数は、426基。建設中は81基。内、中国が31基と大半を占め、アメリカは4基(35年ぶり)の新規建設に着手しています。
世界の原子力発電開発の動向 2014年6月 一般社団法人日本原子力産業協会 <リンク>
また、2013年の資源エネルギー省の調べでは、2035年までに世界の原発数は580基にまで増えるとされています。
なぜこんなにも原発が増えるのか、いったい誰が得をするのか、順を追って見ていきましょう。
■世界の原発の動向 ~先進国で減、発展途上国で増~
大きくは完全廃止を謳うドイツ、スイス、イタリアといったヨーロッパ諸国では脱原発の動きが目立ちます。
・ドイツ :2022年までにすべて廃止する方針
・スイス :国内に5基ある原子炉を2034年までにすべて廃止する方針
・イタリア:おととし6月、原発の是非を問う国民投票が行われ、原発に反対する票が90%を超え、脱原発路線に。
・ベルギー:国内原発7基の運転期間を40年として段階的廃止で合意。2015年に閉鎖予定の3基のうち1基の10年延長決定。
・スペイン:世界的に見て早期から原発を導入したが、計画されていた新規の建設はすべて凍結。再生可能エネルギー(風力)に注力。
一方、中国、インド、ベトナムといった経済成長が著しく、エネルギー需要が高まるアジア諸国では建設計画が次々と進行中です。
・中国 :福島原発の事故を契機に、原発の建設、計画を凍結していたが、12年秋に凍結解除。171基を計画・構想中。
・インド :57基を計画・構想中。
・ベトナム:2030年までに10基以上を計画・構想中。
福島での事故後、中国での建設計画が進行している様子は、スリーマイルの事故後に日本で原発の建設計画が進行した様子と酷似しています。
これは、事故で危険性を目の当たりにした金貸しが、自分たちの庭(欧州貴族たちの領土)である国から原発を減らし、離れた所(アジア、アフリカ諸国)に商売先を移している構図であると考えられます。
危険性を孕んでいるにもかかわらず、発展途上国が原発を欲しがるのは、すでに確立した技術であり、兵器転用といった副産物も同時に手にすることができるからだと考えられます。
原発は電力をつくり出すためのものは偽りで、本当は核兵器を作り続けるためのもの<リンク>
すでに物的欠乏が飽和している先進国では、エネルギー需要よりも安全性を重視し脱原発へと舵を切っていますが、GDPが拡大し、エネルギー需要の高まる国からは今後も原発の需要は無くならないでしょう。
現在の中国、インド、そして今後アフリカへと市場を広げていくであろう原発市場ですが、市場の主導権を握るのは誰なのでしょうか。次の章で見てみましょう。
■原発の市場構造 ~ロスチャイルドによって作られた原発産業~
スポンサーとして研究への投資、資源となるウラン採掘の支配、政策への関与、排出権取引の確立。原子力エネルギー誕生から現在に至るまで原発に関わる事項には、必ずと言っていいほどロスチャイルドが絡んでいます。
原子力産業のしくみはロスチャイルドが作ったより
○スポンサーとして研究への投資
原子力産業のしくみもロスチャイルドが作った①<リンク>
金融王ネイサン・ロスチャイルドのひ孫、アンリ・ロスチャイルドはキュリー夫妻のスポンサーです。ラジウム研究所建設の資金提供、キュリー基金の設立など、原子力エネルギー研究への投資を行っていました。
○資源となるウラン採掘の支配
原子力産業のしくみもロスチャイルドが作った②<リンク>
金あるいはダイヤモンドのために鉱山を採掘すれば、当然、他の鉱物資源も同時に産出されます。ダイヤモンドの「デビアス」、金の「アングロ・アメリカン」、そしてウランなどの非鉄金属を扱う「リオ・ティント・ジンク」、この三社がロスチャイルドによる鉱物支配の主要企業です。原子力産業は、ウランなどの鉱物事業の利益を目的として誕生したものと言ってもよいでしょう。
デビアスもアングロ・アメリカンもロスチャイルドの融資を受け、市場を独占する企業へと成長しました。また、ロスチャイルドが所有するリオ・ティント銅山は、ユダヤ十二大富豪と言われるワイスワイラー家が事業を手掛けるアルマデン鉱山と合併することで、リオ・ティント・ジンクとなります。アンリ・ロスチャイルドの妻はワイスワイラー家のマティルド・ワイスワイラーです。
(※アルマデン鉱山はスペイン王室が所有する、水銀が豊富にとれる鉱山。水銀は、金、銀の精製に必要。)
○原子力開発政策への関与、平和利用の推進
原子力産業のしくみもロスチャイルドが作った⑤<リンク>
マンハッタン計画(※原爆製造のため、技術や資源が結集された国際的な作戦計画)をはじめ、原子力を普及させる政策の主導者や、戦後平和利用の名のもとに設立された機関には、多くのロスチャイルド人脈が絡んでいます。
“チャールズ・ハンブロー”
マンハッタン計画の監督で、のちのハンブローズ銀行会長。ロスチャイルド一族の人物。
“ナオミ・ロスチャイルド”
マンハッタン計画のリーダーであり、のちの国際原子力機関(IAEA)を設立するベルトラン・ゴールドシュミットの妻。
“ルイス・L・シュトラウス”
米国原子力委員会(AEC)の初代委員長として、核兵器と原子力の平和利用を強引に推進した人物。ロスチャイルド商会の米国代理店「クーン・ローブ商会」の共同経営者であり、ロックフェラー兄弟基金の財務顧問でもあった。
“バーナード・バルーグ”
マンハッタン計画を指導者し、大統領顧問として原爆の対日使用を積極的に勧めた人物。戦後、国連原子力委員会の米国主席代表としてIAEAの前身となる提案を行う。彼の家系は18世紀からロスチャイルドと深いかかわりを持つユダヤ人指導者。ロスチャイルドとともにウラン鉱山への投資・開発を行っていた。
○排出権取引の確立
原子力産業のしくみもロスチャイルドが作った⑪<リンク>
チェルノブイリ原発事故から2年後の1988年、原発への安全性が問われる中「地球温暖化の原因は、二酸化炭素の増加である」という説がマスコミによって大きく報じられます。
有力なマスコミを傘下におさめているロスチャイルドにはたやすいことです。
その後、地球温暖化問題に取り組む「国連財団」が設立され、専務理事にはエマ・ロスチャイルドが就任します。
地球温暖化=二酸化炭素犯人説を『不都合な真実』によって定着させたアル・ゴアの活動資金は、ジェイコブ・ロスチャイルドの友人であるユダヤ人大富豪マーク・リッチが提供してきました。
原子力に関わる事には必ずと言っていいほど、ロスチャイルドが絡んでおり、ロスチャイルドが一人勝ちする地盤は完成されています。直近ではCO2削減に後ろ向きだった米、中が揃って、削減へと舵を切りました。この二大国家が排出権取引に参入することで、世界的に排出権取引が活発になると考えられます。
米中首脳会談 新たなCO2削減目標で合意(2014年11月12日)<リンク>
■まとめ
・原発数は、ヨーロッパを中心とした先進国では脱原発化の動きで減少。中国をはじめ、今後エネルギー需要増加が見込める国では増加。見かけではゆるやかに増加している様であるが、これは途上国への押しつけでしかない。いずれ終わりを迎えることは明らか。
・原発市場はそもそもロスチャイルドによって作られたものであり、ロスチャイルドが一人勝ちする構造が揺らぐことはない。今後、排出権取引も盛んになる動きから、石油産業を利益の柱とするロックフェラーは追いつめられていくことになる。
金貸は、技術開発の段階からの投資することに留まらず、政策への関与や、マスコミを駆使することで市場全体を掌握しています。既に先の見えている原発に代わる、新エネルギーを今後支配すべく、影で行動を起こしているはずです。
次回は金貸しが次に支配しようとしている、新エネルギーについて扱います。
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