2009-08-09

FRB資産状況090805:G2ではなくB(バブル)2?米中同盟はどうなる?

G2.jpg『G2』という言葉が目立つようになってきた。先月の米中経済・戦略対話など、アメリカと中国が急接近しているからだ。とめどなく発生する借金を中国に依存する崩れかけの米国と、経済成長を米国の過剰消費に依存してきた中国。この2国がくっつくことで、何が起こるのか・・・・・前回6月27日の記事はこちら。

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■FRBの救済(?)は民間から国家へシフト
8月5日のFRBのバランスシート。
左のグラフが資産、右のグラフが負債・資本 ※クリックで大きくなります。



FRBの資産は2兆ドル(200兆円)で横ばいを続けているが、その資産内訳は変化してきている。CPやMBSの買取額は増加を止め、米国債と政府機関債(黄色)の増加が目立っている。最近、再び巨額赤字を計上したファニーメイなどの債券が中心ではないかと推察される。FRBによる救済(バラマキ)先は、民間から国家に軸足を移した。
■中国は当面、米国債を支えざるを得ない
下表は7月末段階までの米国債発行残高、FRBの米国債保有残高、5月末時点の海外保有残高および各々の月別増減で、前回レポートに載せた表を更新したもの。
treasury0907.jpg
上の表をクリックしてください。

4〜5月は発行米国債の5〜7割をFRBが引き受けたが、4月に減少した海外保有分が5月には再び増加した。この購入者は中国である。海外全体の増加額305億ドルに対し、中国の保有額増加は380億ドルなので、買い手はほぼ中国だけと言って良い。6〜7月にFRBの引き受け比率が2〜3割台に低下しているのも、中国がその後も買い支えを続けているからではないかと推定される。
米国債の消化を海外に頼る米国にとって、今頼れるのは中国しかいなくなってしまった。だからこそ、米中経済・戦略対話なるものを大々的に開催し、ヒラリーやガイトナーが中国の格言を引き合いに出して演説をするなど、かの国との蜜月関係を演出し、「これからはG2の時代だ!」というプロパガンダを世界に発信しているわけだ。
一方、中国は、今年初め以降、長期債から短期債への乗り換えを急速に進めている。ドル・米国債の下落リスクを回避するため本音は米債を手放したいが、最大保有国の中国自身が売れば、それこそ暴落の引き金を引いてしまう。こういうジレンマから、当面は短期債に変えて逃げる準備だけは進めつつ、当面はドルを支えるしかない、という判断だろう。
■米中ともにマネー大量供給→バブル化
自国の経済危機対策に加え、ドル・米国債を支えるために、中国もまた、自国通貨である人民元を大幅に増やしている。そして、市場に垂れ流された大量の人民元は、80年代の日本同様、株・不動産に流れ込みバブル化している。
田村秀男の経済がわかれば、世界が分かる「米中G2はバブル同盟」
園田義明めも。「大破裂の危機迫るチャイナ・バブル」
大量のマネー供給でバブル化が始まっているのは米国も全く同様で、実体経済の悪化を置き去りした最近のNYダウの異常な上昇がそれを物語っている。
今、世界のGDP第1位と第3位の国家が結託して、新しく、巨大で、しかも見え見えのバブルを引きおこそうとしている。そして、バブルは必ず崩壊する。世界経済危機第二波の幕は、今度は中国によって切って落とされるのかも知れない。

List    投稿者 s.tanaka | 2009-08-09 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨8 Comments » 

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コメント8件

 zolist | 2010.02.23 0:37

基軸通貨はドルなので、現状を考えると中国が圧倒的に不利ですね。
まず中国はWTOルールに従い国内の市場を外資にも同等に開放すべきです。
同時に元も変動相場に移行すべきであり、当然要求されるでしょう。
米が日欧と組めば、世界のバランスを崩している元凶である中国を孤立させるのは容易であります。中国が勘違いをして勝手なことをやり始めたならばそれなりに現実を理解させるしかありません。
単なる組立工場である中国が、欧米からつまはじきにあったなら一気に経済崩壊するのですね。変動相場になっても売り叩かれますけどね。
どっちみち中国は詰んでいるのですよ。
白人を舐めないほうが良いです。
米国債売るなら、米が一方的にドルを切り下げるだけでしょう。

 leonrosa | 2010.02.23 21:44

zolistさん、コメントどうもです。
中国論は、なかなか、一筋縄ではいかないです。
例えば、基軸通貨がドルである事を逆手にとって、ドル資産を元手に、海外の資源会社の買収に動くは、米国の優良企業の株式取得に動くはです。
この目先のよさは、共産党政権と歴戦の商売人華僑が連携している訳ですね。
また、ものづくりの局面でも、単なるアセンブリーから脱しているのかも知れません。
JB PRESSの以下の記事などに、その片鱗が見えます。
中国に負けない日本製造業の「武器」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2823
いずれにしても、中国を多面的に解剖しないと、始まりません。

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だから歌や演技が下手でも許される感じがあった。

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