2020-07-21

中国経済はコロナウイルスから回復に向かっている。

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6月中旬に、「中国経済はコロナウイルスからのV字回復目指したが、厳しい状況」とお伝えしましたが、1か月たってその後の状況を調べてみました。7月16日に第二四半期(4月から6月)GDPが公表されましたが、1四半期のマイナス6.8%から反転し3.2%のプラスに転じました。中国経済はこのまま回復に向かうのでしょうか。

なぜ中国がマイナス6.8%からプラス3.2%に反転できたかですが、第一の要因は共産主義国ならではの、徹底した経済対策だと思われます。中国政府は「六穏六保」(安定と確保)をスローガンに掲げ、①2.5兆元におよぶ企業減税、②5,000億元の増値税・企業養老保険負担の軽減、一件100万元、合計4,000憶元の中小・零細企業や農業経営向け政府担保融資、④1月~6月30日までに償還期を迎える中小零細企業の借入元利金の償還猶予、昨年同期を1兆6千万元うわまわる3兆7,500万元の政府特別債の発行など徹底したバラマキ政策を実施しました。

中国経済はバブル化しており近々バブルがはじけると言う指摘もありますが、中国では企業も国家管理であり、バブルがはじけても不良債権を国が処理すれば企業は倒産せず、大混乱には至らない可能性も高いと思われます。

そして、中国のもう一つの強みが、徹底した監視社会、ビッグデータの国家管理です。資本主義国ではビッグデータは民間がすべて握り政府は使うことができませんが、中国は全て国家が独占しています。治安の維持も、経済政策もデータを活用して精度高く管理することが可能になっています。

この監視社会とビッグデータも国家管理により、コロナの第二波も抑え込むことに成功したようです。北京で6月中旬に発生した新型コロナウイルスの「第2波」といえる感染拡大は、7月に入って新規感染者数ゼロが続くなど小康状態になっています。

中国の治安を維持する上で重要な食料も、大豆以外の主要穀物である小麦、米、トウモロコシは自給率95%を維持しており、コロナ問題を契機とした食糧危機が世界で起こっても、大混乱に巻き込まれることはなさそうです。

中国は、アフターコロナの社会では、市場と国家が一体となった共産主義の強みを生かして、世界経済をリードする可能性があります。

 

■この先の中国経済はどうなるのだろうか?(15コロナ後、中国が世界経済をリードする-202077

コロナウイルスが席巻した中国で、そこから這い上がるために、中国が打った手とはどんなものがあるでしょうか?まず政府関係の文書に、しつこいくらい現れる「六穏六保」というスローガン。なんのことかと調べると、「六穏」とは①雇用の安定、②金融の安定、③貿易の安定、④外資の安定、⑤投資の安定、⑥期待される仕事の安定のことのようです。また「六保」とは、①国民の仕事の確保、②基本的な生活の確保、③市場主体の確保、④食料・エネルギーの確保、⑤サプライチェーンの確保、⑥行政サービスの確保のことと思われます。

この掛け声のもと、①2.5兆元におよぶ企業減税、②5,000億元の増値税・企業養老保険負担の軽減、一件100万元、合計4,000憶元の中小・零細企業や農業経営向け政府担保融資、④1月~6月30日までに償還期を迎える中小零細企業の借入元利金の償還猶予、昨年同期を1兆6千万元うわまわる3兆7,500万元の政府特別債の発行などが実施に移されました。日本の10万円や企業特別給付金のような、国民に向けた直接の給付金はないのですが。政府債には地方債も含まれると思われますが、昨年の同じ時点に比べ2倍の発行額です。参考まで社債を見ますと、これも2倍ですね。政府が集めた資金は、今後、公共投資や減税の原資になるのでしょう。

■「人類史上最大のバブル」中国経済が崩壊を避けられない2つの理由202078日

極めて単純化すると、共産主義は2つの致命的な欠陥を有していた。第1の欠陥は、「モラル・ハザード」である。働いても働かなくても結果が同じであれば、人間は働かなくなるのが常である。第二に、共産主義の中央エリート官僚に関して言えば、需要の読み違いが相次いだ。

第1の問題点は、個人のプライバシーを犠牲にした徹底的な監視社会を築くことで克服された。中国では街中のいたるところに監視カメラが設置されており、その総数は2億台にのぼるともみられている。中国政府はAIを活用して既に14億人の顔認証を完成しており、中国人のマナーは劇的に改善している。

第2の問題点は、ビッグデータの活用などによって克服された。中国ではデータは基本的に国家に帰属する。西側諸国では、データが民間部門に帰属するのと対照的である。もし国家が一元的にデータを管理することができれば、ビッグデータを解析すれば、先行きの需要を市場よりも正確に予想することが可能になるかもしれない。

筆者の中国経済に対する見方を一言で述べれば、「短期=楽観。中長期=悲観」である。中国は「社会主義」の国なので、公共投資を中心とするカンフル剤を打てば、問題を23年程度先送りできる。しかし、向こう510年程度の中長期的な時間軸で見れば、中国では「バブル」崩壊のリスクが高まるとみている。最初に、現在中国には膨大な2つの過剰が存在することを指摘しておきたい。

1の過剰は金融面での過剰融資である。中国における過剰融資の総額は1000兆円以上と推定される。将来的に、このうち何割かが焦げ付く場合、数百兆円規模の不良債権の発生が懸念される。第二の過剰は、工場や機械といった、いわゆる「資本ストック」の過剰である。その総額は700兆円以上とみられる。

■中国経済、第2四半期は3.2%拡大 景気後退を回避2020716

中国の国家統計局は16日、2四半期(202046月)の国内総生産(GDP、速報値)の実質成長率が、前年同期比で3.2だったと発表した。第1四半期は新型コロナウイルスの流行を受けたロックダウン(都市封鎖)で、マイナス6.8%と統計開始以降で最大の落ち込みだったが、プラスに転じた。

ロックダウンから抜け出した中国経済は、市場予想よりもはるかに力強く成長することに成功した。政府が発表した刺激策はすべて功を奏しているように思える。工業生産のデータが伸びからも明らかなとおり、工場は忙しく稼動している。一方で、期待されたより回復が遅れているのが小売業だ。小売業は第2四半期にもマイナス成長だった。消費者支出も引き続き改善が求められる。

■北京を襲った新型コロナウイルスの「第2波」への対応は、世界にとっての教訓になる2020713日

北京で6月中旬に発生した新型コロナウイルスの「第2波」といえる感染拡大は、7月に入って新規感染者数ゼロが続くなど小康状態になった。当局の対応は感染症対策の基本ともいえる「検査・追跡・隔離」の3つを押さえており、こうした点は今後の教訓として注目していい。

2回目のアウトブレイクが発生したことで、当局は感染の広がりを防ぐべく活動を開始し、すぐに動きが慌ただしくなった。高リスクとみなされた地域では、住民のヘルスコードは自宅での自己隔離を要する「黄色」になった。北京から出る際には、過去7日以内の陰性の検査結果を提示しなくてはならなくなった。通信会社は追跡に役立てるために、データを引き渡している。

こうして網は大きく広げられ、大規模な追跡活動が繰り広げられた。新発地市場から数キロメートル離れたところを通るハイウェイをクルマで走ったり、市場のそばを通る地下鉄に乗ったりした住人にまで、市場に行ったかどうか尋ねる電話がかかってきたほどだ。国営メディアは、接触追跡活動の一環としておよそ20万人に連絡が行き、その後356,000人が検査を受けたと報じている。

■各国が次々に穀物輸出を禁止 中国の穀物は十分か?202043

新型コロナウイルス感染による肺炎が世界中に広がり、最近になってベトナム、タイ、カザフスタン、エジプト、セルビア、カンボジアの6ヶ国が穀物の輸出を禁止すると相次いで発表した。こうした一部国の穀物輸出制限や世界の穀物供給チェーンの混乱が、中国の穀物供給は大丈夫かと多くの人々に不安を抱かせる。

データによれば、中国の小麦生産量は13千万トンから14千万トンほどで、この水準を長年維持し、構造調整として輸入された小麦は500万トン前後だ。2019年の籾・米の輸入量は255万トンで、国内の消費量の1.28を占めた。中国のトウモロコシ需要も主に国内の供給に頼っていて、19年の輸入量は国内消費量の1.72だった。

中国の穀物総生産量は5年連続で安定して65千万トンを超えた。ここ数年、穀物備蓄の体制・メカニズムが持続的に整備され、備蓄は十分にあり、小麦や米など配給穀物の在庫は歴史上最高の水準にある。主要な輸出国が輸出制限措置を取ったことで、国際市場の穀物価格の変動が激しくなる可能性はあるが、現在の中国の穀物市場への影響は大きくない

しかし注意しなければならないのは、小麦、米、トウモロコシと異なって、中国の大豆ニーズは主に輸入に頼っており、中国が世界最大の大豆輸入国であることだ。税関総署が発表したデータでは、中国の19年の大豆輸入総量は85511千トンに上り、これまでで2番目に多かった。主にブラジル、米国、アルゼンチンから輸入した。

List    投稿者 dairinin | 2020-07-21 | Posted in 05.瓦解する基軸通貨No Comments » 

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